2023年春 発売予定

技術シーズ ローンチプロジェクト ExSeed(エクシード(
産学連携開発(兵庫県立大学/オオアサ電子株式会社)


透過型液晶偏光コンバーター

PMC -Polarization Mode Converter

16分割された各液晶セグメントを電圧制御し、
光の位相と偏光分布を自由自在にコントロール。
光学顕微鏡や対物レンズ、CCDカメラに装着できる
コンパクトな透過型液晶偏光コンバーター。

PMC

主な特長

  • 分割された液晶の各セグメントを電圧制御し、偏光方向、楕円率、CW/CCW、位相を制御。

    分割された液晶の各セグメントを電圧制御し
    偏光方向、楕円率、CW/CCW、位相を制御。

  • 小型かつ透過型のため、顕微鏡レボルバのほか光学機器のどこにでも挿入可能です。

    小型かつ透過型のため顕微鏡レボルバのほか
    光学機器のどこにでも挿入可能です。

  • 6kWの高強度レーザーでも使用可能なため、レーザー加工の効率向上などにも使えます。

    6kWの高強度レーザーでも使用可能なため
    レーザー加工の効率向上などにも使えます。


  • 概要
  • 主な仕様

製品概要


透過型液晶偏光コンバーター PMC(Polarization Mode Converter)は、放射線状に8分割、同心円状に2分割、計16分割された液晶素子の各セグメントを個別に電圧制御することで、ビームの偏光および位相の分布を自由に制御できる小型の透過型偏光コンバーターです。


所望の焦点をデザインするフォーカスエンジニアリングでの利用のほか、レーザー加工の特性や効率の制御、CCDカメラでの不具合検知など多岐にわたる応用が可能です。



偏光板を通して見たPMCの偏光制御の様子。


従来の偏光変換素子で実現できるラジアル偏光やアジマス偏光といった軸対称偏光だけでなく、円偏光や楕円偏光を含むすべての楕円率の偏光をすべての方位角について生成できます。小型かつ透過型である点も特長のひとつで、顕微鏡レボルバのプリズム挿入口に装着したり、対物レンズやCCDカメラに装着するなど、既設の光学系や光学機器に自由に挿入して使用できます。


PMC_built-in
顕微鏡レボルバのプリズム挿入口(左)、対物レンズ(中)、CCDカメラ(右)など組み込み方は自由自在。



3枚の分割液晶素子でフルポアンカレコントロールを実現

PMCは3枚のホモジニアス配向ネマチック液晶素子で構成されています。各液晶素子は、分子が配向している可制御軸a方向の偏光の位相を電圧制御することができます。PMCでは、下図左に示すとおり、直線偏光の入射光に対して各液晶の可制御軸が平行、45°、平行になるように順に配置されています。各液晶素子は、放射線状に8分割、同心円状に2分割、計16分割されており、各液晶の各セグメントによって与えられる複屈折位相差は、光源に近い側から順にξi、ηi、およびζiとして与えられます。下図右に示す通り、ηおよびζをさまざまに変化させることで、直線偏光から円偏光まですべての楕円率の偏光を、すべての方位角について生成することができます。


PMC_principle
PMCを構成する液晶素子。

PMC_poincare_control
PMCによって生成可能な偏光の種類。


吉木啓介,橋本守.特許第 6817623 号:偏光制御装置および偏光制御方法.

構成・仕様


PMCの装置構成

  • PMC本体
  • PMCドライバ(USB接続)
  • 制御ソフトウェア(RS-232通信制御)

PMCの主な仕様

仕様
項目 仕様
対応波長

405 / 441.6 / 457 / 488 / 514.5 / 532 / 632.8 / 638 / 780 / 785 / 800 / 1030 / 1064 / 1310 / 1550 nm
※ご要望に応じて、400nm以上2000nm以下の任意の波長に対応可能です。
※UV波長に対しては寿命が低下します。

ドライバによる対応波長数

1 / 2 / 3
※それ以上は応相談。

画素分割

標準仕様: 16分割(放射状に8分割、同心円状に2分割)
※その他の分割については応相談。

分割境界ギャップ < 10 μm
光強度耐性

< 10,000 W/cm2
※短波長になるほど耐性が低下します。

位相精度/リタデーション
※封入する液晶により変わるため、目安の値を示しています。

リタデーション制御ステップ:< 0.05 rad
検査方法:回転検光子法、ホログラム計測
偏光制御幅:360°
偏光制御ステップ:1°
消光比制御幅:50^x(x:0~1)
消光比制御ステップ:xを50分割

スイッチング応答性
※封入する液晶により変わるため、目安の値を示しています。

off -> on : < 80 ms
off -> on : 500 ms程度
※on->offでは液晶は一般的に応答が遅い
・駆動電圧によって変わる(偏光の種類によって変わる)
・液晶の種類によって変わる
・off -> on時の反応は2周波駆動によってoff-> on時の応答速度と同等まで挙げられる.

動作温度 20〜100 ℃

※製品の仕様は予告なく変更する場合がございます。あらかじめご了承ください。


外径(mm)および有効径(mm)

PMC_drawing
左)PMC本体 右)PMCドライバ


そのほか、顕微鏡DICプリズムタイプ、Thorlabsケージシステム専用アダプタ、2インチオプティクスタイプなどご用意可能です。


透過率

PMC_data
ガラス基板、液晶3枚、ARコートあり