ラボツール
像回転ミラーユニット
集光・発散光学系にも使えるミラー光学系を採用し
色収差フリーのため分光用途にも最適。
ダブプリズムのウィークポイントを克服した
像回転・反転のための一体型ミラーユニットです。
- 概要
- 構成・仕様
- 参考情報
概要
製品概要
像回転ミラーユニットは、像を回転・反転させる3枚組ミラーの一体型ユニットです。光軸(入射軸・出射軸)を軸にミラーユニットを回転させる(※)と、 出射された像は、入射像に対してミラーユニットの回転角の2倍回転した像となります。ミラーの角度を調整できるため、回転部品に取り付けた後、像の回転軸の微調整が可能です。 また、ミラー光学系のため、集光光学系での使用が可能で、さらに色収差が発生しないため分光用途に最適です。
- ※
- ミラーユニットを回転させる回転部品が別途必要です。
類似の光学部品としては、ダブプリズム(Dove prism)があります。ダブプリズムは、安価で入手でき手軽に使える反面、次の難点があります。
ダブプリズムの難点
- 集光・発散光学系で使用できない。
- プリズムの屈折率分散により色収差が重畳する。
- 入射軸・出射軸の角度公差※を有し、角度固定。
(調整が出来ないため、角度エラーが存在する場合、像回転軸を1点に固定する調整が不可能。回転部品への取付後の調整が困難。)
- ※
- 市販のダブプリズムの一般的な角度公差は、10~20µrad。
像回転ミラーユニットは、上記のダブプリズムの難点をカバーします。
機能
- 像を反転
- (回転部品と組み合わせて)像の回転
特長
- 集光・発散光学系、コリメート光学系での使用が可能
- 色収差フリー(分光用途に最適)
- 像回転軸の微調整が可能
- 一体型ユニット
使用例
- 構造化照明顕微鏡(SIM:Structured Illumination Microscopy)のラインの角度調整機構
- ライトシート顕微鏡の照明のシート面の回転機構
- 分光・光活性化局在性顕微鏡(PALM:Photoactivated Localization Microscopy)の照明角度調整機構
- エシェル分光器(を平面で作れる)
- 他
構成・仕様
構成・仕様
構成
- 像回転ミラーユニット本体:1ケ
- 調整用可変アイリス絞り(SM1D12/Thorlabs製):2ケ
- 回転ステージ取付用アダプタ(SM1T2/Thorlabs製):1ケ
- ミラー初期位置位置決めプレート:3種
- [オプション]回転ステージ(電動/手動)
仕様※
型番 | IRMU-25-A |
---|---|
角度範囲 (ビーム径Φ10mmにて) |
-4.5º〜 4.5º |
光軸上光学距離 (mm) | 107 〜 108 |
適用ビーム径 | > Φ12 mm |
サイズ (mm) | 80 × 41.5 × 66 |
重量 (g) | 380 |
外形 (mm)※
光路(角度(º)と光路長 (mm))※
回転機構取り付け例
その他
外形、サイズ、回転部品取付治具・方法、ビーム径、視野サイズなどの仕様カスタマイズについては、ご気軽にご相談下さい。
- ※
- 調整用可変アイリス絞りと、回転ステージ取付用アダプタを外した状態において
参考情報
参考情報
参考写真
像回転ミラーユニットの光学系カバー
像回転ミラーユニットへの回転ステージ取付例
調整
像回転ミラーユニットを回転ステージにとりつけると、入射像を回転させることができます。 この時、像の回転中心の位置を、1点に固定して回転させるためには、下記の要件が必要となります。
回転中心固定の要件
- 像回転ミラーユニットの入射光と出射光が同軸上にのっている。
- 像回ミラーユニットの光軸と、回転ステージの軸が同軸上にのっている。
この要件を満たすためには、回転ステージのx,y位置調整および、傾き調整が必要となります。像回転光学系の調整に関んしては、下記の文献が参考になります。
References:
Donald, L. Sullivan, Alignment of Rotational Prisms,Applied Optics, Vol. 11 pp2028-2032, 1972